7.2024年度の神奈川県への要求事項について

7. 2024年度の神奈川県への要求事項について    2024 / 7 / 4  川崎から公害をなくす会

1. 大気汚染公害の根絶に向けて

  (1) 二酸化窒素については、未達成となっている川崎市内の自排局3局の総達成に全力を挙げることはもちろん、旧環境基準値であり川崎市の環境目標値となっている、日平均値の0.02ppmの達成を目指すこと。県目標値では、病人や子供・老人など社会的弱者の健康が守れない。

(2) 微小粒子状物質(PM2.5)については、現在県内全局で環境基準値が達成されているとのことであるが、世界保健機関(WHO)の2021年の大気質ガイドラインでは、『年間平均5μg/㎥、24時間平均15μg/㎥』を推奨し、併せて各国に基準値の改定を求めている。従って、国の甘い環境基準値達成に満足することなく、この推奨値を環境目標値としてさらに環境濃度の改善を図ること。

(3) 光化学オキシダントは、依然、環境基準達成が遅れ光化学スモッグ注意報も発令されている。炭化水素削減の取組みは進んでいるが、原因物質である窒素酸化物等の抜本的な削減をもっと実施すべきである。

(4) PFAS(有機フッ素化合物)についての関心と規制が叫ばれている中、地下水や公共水域だけでなく、大気環境についても実態調査等の拡充をされたい。

2. 地球温暖化対策の推進について

 (1) 県の地球温暖化対策の基本は、「事業者及び県民の自主的な取組」となっているが、50年の脱炭素社会の実現のためには不十分だ。熱中症や各種ウイルス等が増加し、災害も発生しているのだから、欧米のように二酸化炭素を大気汚染物質と捉え、公害規制の手法も加えて対策を推進すること。

 (2) 「緩和策」と「適応策」がそれぞれあって対策を進めているが、前者の「緩和策」による対策が基本であることを肝に銘じてもらいたい。県民に我慢を強いる「緩和策」は、あくまでも二次的なものであるべきだ。

 (3) 県が公表している、二酸化炭素排出量の部門別構成比(2020年度)をみると、エネルギ-転換部門は15.5%を占めているが、これは「電気・熱配分後」の統計によるものではないか。電力会社等の責任を取らせもっと効果的な削減を進めるためにも、「電気・熱配分前」のものに変更すべきである。

 (4) 県内のエネルギ-消費量(2021年度)のうち、74%は石炭・石油・都市ガスの化石燃料となっている。この比率は基準年度の2013年度と変わっていない。これらの化石燃料の消費を抜本的に減らし、自然・再生エネルギ-に転換して行くことが必要である。神奈川の自然を生かし太陽光・風力・波力・地熱等によるエネルギ-を多いに開発すること。

3. 公害被害者対策について

 (1) 川崎市のぜん息患者は、いまも2万人近く出ている。他都市の実態調査をすれば、さらに大きな人数を数えることが出来ると思われる。県として、大気汚染とぜん息を含む公害健康被害についての実態調査や研究を進めること。

 (2) 県の関係機関の調査によると、慢性閉塞性疾患や心疾患(高血圧性を除く)の地域区分別死亡比は、川崎南部がもっとも高い。当然のことながら、この地域等に対する公害環境対策を強化すること。

 (3) 従来の公害健康被害対策と、温暖化による熱中症など健康被害対策を一体のものとして進めること。いずれも、人権侵害であるとの観点が必要である。

4.  大型開発計画の規制について

  (1) 依然として、経済優先と企業の利潤第一主義が、現在の「終わらぬ公害」や「地球沸騰化の時代」をもたらしている。県は、もっともっと県民のいのちと健康、県土の健全な保全に万全を尽くすこと。

(2) 公害や温暖化をもたらす大規模開発計画は中止すること。結局のところ、事業者が提出する開発が   計画どうり進んでいることは、県の環境保全計画や環境影響評価の在り方に問題があるのではないか。世界中で化石燃料の消費を削減・停止しようとしているのに、県内で、石炭火力発電所を稼働させるなどもってのほかだ。もっと真剣に自然・再生エネルギ-の開発を進めてもらいたい。