公害をなくす活動のペ-ジへ ようこそ

 公害という言葉が忘れ去られようとしています。あるいは、隠滅されていると言った方が正確かもしれません。いま世界的に大きな問題となっている、温暖化や二酸化炭素の排出も公害ではないのか。かつて ”地球環境問題” だとされてきましたが、国内においても相次ぐ異常気象に伴う洪水や水害の発生、熱中症被害患者が増え、加害-被害の関係が誰の目にも分かり易くなりました。

 他方、地域社会を覆ってきた大気汚染公害はどうか。確かに、住民の粘り強い運動を中心に目に見えるばい煙等は大幅に改善され、亜硫酸ガスも企業の燃料転換・公害防止装置の整備等によりかなりの改善を見ています。しかし、窒素酸化物(NOx)や微小粒子状物質(PM2.5)等の改善は遅れています。だから、いまだに光化学スモッグの発生が止まらず、ぜん息患者も発生しているのです。これに対し、行政は環境基準が達成されてきたから、改善されたとの立場をとっていますがそれこそが問題なのではないか。財界の圧力等で大幅緩和された、現行の二酸化窒素環境基準では住民の健康はまもれません。川崎市は、自ら決めた環境目標値の早期達成に力を注ぐべきです。そして、世界保健機関(WHO)が決めたさらに厳しいNOx やPM2.5の指針値達成を目標とすべきです。

 このように、川崎の公害は解決も改善もされていないのに、川崎市はいま市民に「大気汚染は改善された」との実感を植え付けることを施策に加え、また成人ぜん息患者や小児ぜん息患者の医療費助成・支給制度の廃止をもくろんでいます。行政は地方自治の精神をふまえ、もっと企業ではなく市民が主人公の行政を心がけるべきです。

 このホ-ムペ-ジが、私たち公害被害住民の要求や活動ヘの理解の一助になれば幸いです。

 2023年2月

川崎から公害をなくす会 (会長 神戸治夫)