意見書・請願

ここでは川崎から公害をなくす会が川崎市に提出した意見書等の、いくつかを掲載します。

A. 意見書

1.『環境情報』誌による“大気汚染公害改善(克服)キャンペ-ン”に対する意見書

 (2019年6月24日提出)

貴局が、毎月発行されている最近の「環境情報」誌をみると、年号改元を意識してか川崎の大気汚染の歴史をふりかえった特集が目立っています。タイトルを列挙すると、本年1月号は『未来につなげよう~川崎の大気汚染』、3月号は『川崎の歴史と環境を振り返る~昭和・平成 今昔物語』、そして6月号は『デ-タで紐解く、川崎の「大気環境」平成史』となっています。

本会は50年にわたり、川崎の大気汚染公害の解決に深く関わってきた住民団体として、現在の公害行政のさらなる前進を願い、下記のとおり若干の意見を提出するものです。

  1. 今この時期に、大気汚染公害改善(克服)キャンペ-ン(と感じられる)を実施する意味は何なのでしょうか。皆無ではないが、煤塵も二酸化硫黄も40年以上前に基本的に改善されています。これをいま、ことさら取り上げる必要があるのでしょうか。公害発生源企業が、鬼の首をとったように宣伝するのはわかりますが、公害対策を使命とする環境局は、もっと目の前に山積している大気汚染公害の改善・根絶に取り組むべきではないでしょうか。「青い空ときれいな環境を取り戻しました (6月号) 」の文言は、感覚的であり問題です。
    過去の公害改善の歴史については、仮称「公害資料館」を開設しそこで展示等をすればよいことです。
  2. 行政が実施している、大気汚染の測定値や環境基準の達成だけで、公害が改善されたとか空気が良くなったと判断するのは間違いです。二酸化窒素について言えば、国の環境基準値の上限値(日平均0.06ppm)は産業界が無理やりねじ込ませたものであり、全く科学的根拠に欠けているものです。だから川崎市はいまも、旧環境基準値である日平均0.02ppmを環境目標値として堅持しているのであり、対策目標値に改悪する前には、日平均0.04ppmを一定の科学的根拠があるとして中間目標値に設定していたのです。このことは、市担当部局も充分ご存じのはずです。
    環境局にはいま、過去をふり返っている余裕などないはずです。一刻も早く、かつての中間目標値(環境基準下限値に相当)の達成、さらに日平均0.02ppmの達成を成し遂げ被害の減少に資するべきです。
  3. そもそも大気汚染の測定は、公害被害者を出さない環境に回復することが最大の目的です。多くの項目で、測定値の低下がみられるとされるものの、公害被害は大幅に改善されているとの証拠はありません。市医師会調査によると、毎年の気管支ぜん息患者は約20,000人を数え、小児・成人の両ぜん息医療救済条例の患者も併せて12,000人以上に達しています。公害被害者の発生が、自然状態に近い状況になるまでは公害の改善などあり得ないことです。従って川崎市は、かつて一度やりかけたことがある「全市民の大気汚染による健康被害調査」について、微小粒子状物質等による影響も踏まえ早急に行う必要があります。健康福祉局が喘息は花粉症などと同じアレルギ-疾患だとして、個人に責任転嫁しているのは論外です。
  4. いまだに、測定体制の不備を抱える微小粒子状物質のほか、光化学オキシダントや酸性雨・有害化学物質などの改善が求められていますが、緊急を要する焦眉の課題として温暖化の問題があります。「熱中症」という公害被害が深刻化しており、煙突で二酸化炭素を抜本的に削減することがどうしても必要です。いわゆる温暖化は、地球環境問題でなく地域の公害問題としてとらえ、公害対策・公害行政の中核の一つにしていくことが求められます。放射能が、ようやく大気汚染防止法に載ることになりましたが、温暖化も同様です。
  5. 「都市イメ-ジ調査」によると、特に市外の人に“水や空気が悪い”の割合が高いと云います。
    川崎市が、早く公害都市のイメ-ジを払拭したい気持ちは理解できなくありませんが、イメ-ジを変えたからと云って公害そのものが無くなるわけではありません。環境局は、開発や観光担当部局に引きずられないで、もっと市民と住民の生命と健康第一に考える行政を進めてもら いたい。

2.「川崎市大気・水環境計画(素案)」についての意見

 (2021年2月22日提出)

  1. 策定の背景と目的の項で、環境は「環境基準を達成するなど、大幅な改善が図られました」とありますが、素直に賛同できません。「環境基準の達成」は大気汚染改善のほんの一部にすぎず、健康被害をなくすことが最終目標です。市内に2万人以上存在する気管支ぜん息患者、市民の呼吸器系悪性新生物による死亡者の増加、また二酸化炭素の上昇による熱中症被害者やPM2.5が促進する新型コロナウィルス感染症の大量発生などの事実をみれば、とても「大幅改善」等と言える状況にありません。
    なお環境基準達成に関して、以下の点を指摘します。第1に、1978年に大幅緩和された、二酸化窒素の上限値(日平均0.06ppm)は科学的根拠に乏しく、いわんや市の環境目標値(旧環境基準値の日平均0.02ppm)については未だに達成されていない。第2に、微小粒子状物質については当初から測定上の精度管理が問題となっており、米国の環境基準と比べても甘い。(なお、東京都は今後2030年度までに、WHOの指標である10μg/m3の達成を目指している)。第3に、周知のように光化学オキシダントは軒並み未達成の状況にあります。
  2. 今後の課題として、また目標として、「二酸化窒素については、対策目標値の下限値(0.04ppm)の全局達成に向けて取組を進める必要があります」とありますが、これは現行の環境基本計画にある「対策目標値の下限値の0.04ppm又はそれ以下を目指す」の目標に反した行政の後退と言わざるを得ません。大体、日平均値0.04ppmの達成年次については、かつて市は1985(昭和60)年としていたのだから、いまさらこれを目標とするのはおかしい。いま市が掲げるべき目標は、下限値0.04ppmでなく環境目標値の日平均値0.02ppmであるはずです。環境目標値を、長期の将来的な目標に格下げすべきではありません。
    また光化学オキシダントの目標については、「濃度の低減に向けて取り組む」との抽象的目標にするのでなく、はっきりと「環境基準の達成」と明記すべきです。
  3. 基本的な考え方の目標のなかに、「環境が良好であるという市民実感の向上」が位置付けられていますが、市民実感を行政レベルに載せるのはおかしい。「市民アンケ-ト」等の結果は、あくまで行政を進める上での参考材料とすべきものです。
    また、「ここ数年、継続して『大気汚染や騒音・振動などの公害防止対策』が力を入れてほしい取組の上位となっており、環境を改善するための取組が進められていることの周知が充分市民に届いていないことがうかがえます」とありますが、これは論理上おかしい。日頃の環境改善の取組を市民に周知することは必要ですが、行政の取組が十分でないからこそ市民アンケ-ト等で、市民は「公害防止対策に力を入れてほしい」と回答しているのではないか。そのように解釈すべきです。
  4. 基本的な施策の方向性Ⅱとして、「安心で快適な環境を共に創る」(新たな視点による取組)が設定されています。ここで、重大問題だと思うのは「環境を共に創る」とあり、これは先の市環境基本計画改定案に初めて登場する「共創」を引き継いだ用語と思われ、他の環境要素になく大気と水のところに出ていることは、「市民実感の向上」に対応しているのではないかと思う。なぜ、ここに突如「共創」が出てきたのか。
    これは、昨年5月に経団連が「価値の協創で未来をひらく」を発表、11月の新成長戦略では2030年の未来像として各種社会における「価値協創」の姿を描いているがこの文章と関係しているのではないか。
    価値の協創、漢字は違うが、「共創」とは、現実に公害が存在するかどうかとは別に、「市民実感の向上」という価値観を市民に共有させようとするものでないのか。「共創」とは、非常に気にかかる用語です。市 環境基本計画や大気・水環境計画の改定業務支援を、民間企業に要請したことによる影響はないのか。
  5. 基本的施策のⅡ-3は、「事業者の自主的な取組の促進」となっています。自主的な取組事態に異論はないですが、公害対策の基本はいまも規制的な取組でなければならないと考えます。これは一例ですが、大手企業の東電川崎火力発電所の窒素酸化物排出量は、新増設計画と相まってここ約10年間勢いよく増加しています。2000年度に870トンだったのが、2019年度は1,310トンになりました。このため、大師局の二酸化窒素濃度が田島局や川崎局に比べ高くなっています。この間、移動発生源対策はかなり進んだが、固定発生源はまだ不十分です。自主的な取組みに頼っていては、大幅な環境の改善は望めないのではないか。
  6. 大気や水などの環境に関する連携施策のなかに、健康影響調査や健康被害予防・ぜん息患者医療費助成が掲げられています。これらのうち、健康影響調査は現在の大気汚染の進行のもと今もぜん息患者が増加しているなか、特に重要であると思う。企業側による公害改善論により、ぜん息と大気汚染は関係ないかのような主張がされているが、それは根本的に誤りです。
    毎年、環境省が全国38都市8万人以上の規模で「大気汚染に係る環境保健サ-ベィランス調査」を実施しています。このうち、平成29年度の川崎市幸区の調査結果についての詳しい分析よると、NO2・SO2・SPMの3物質ともぜん息との間には相関関係、有意な差があったとの評価がされています。現在の大気汚染の下でも健康被害の発生は厳然たる事実であり、被害防止にもっと力を注ぐべきです。
  7. 合的な環境施策の展開のなかに、脱炭素化がありますが、パリ会議の目標、「2050年排出量実質ゼロ」の実現のためには、「通環境配慮行動の促進」や「事業者の自主的な取組の支援」だけではありにも不十分であり、目標の実現のためには発想の転換が必要であると考えます。
    そして、脱炭素化と大気汚染対策を別々の対策・施策とするのでなく、両者を一体のものとして取組み相乗効果を狙うこと。二酸化炭素を広義の大気汚染物質とみなし、大企業に許容排出量を義務付け公害規制することが必要であると考えます。
  8. 総体として、『公害』が隠ぺいもしくは環境一般にすり替えらてしまっています。みどりやゴミなどの管轄部局を環境局に統合した結果とも考えられ.ますが、今日温暖化などの『公害』はますます地球的規模な拡がりを見せており、これを軽々に扱うべきではない。『公害』は、行政側からの定義だけで終らない。

3. 川崎市地球温暖化対策推進基本計画(案) に対する意見

 (2021年12月15日提出)

  1. 国連をはじめ世界は、地球全体の環境を守るためには気温の上昇を、産業革命前の時代から「1.5度C」に抑えることが必要であるとしています。先のCOP26では、この目標が一層強く求められました。この点は改定の背景として触れられていますが、今回の計画改定案は、果たして「1.5度C」を実現できるものになっているのか不明である。市の削減目標は、「50%以上(13年度比)」と国よりもやや高い目標ではあるが、まだ不十分と言わざるを得ない。
  2. 市内における、二酸化炭素排出量のほとんどは企業や事業所、つまり産業界からのものである。また温暖化対策法によると、電力からの排出量は、「直接配分」でなく「間接配分」として、本来電力会社の排出分を消費者の排出分として算定されている。 従って、川崎市の地球温暖化対策推進基本計画の骨格は、基本的に産業界の排出削減にシフトしたものにすべきです。
  3. 大企業や事業所による、二酸化炭素をはじめ温室効果ガスの排出に関しては、他の公害物質と同様に「発生源責任」並びに「汚染者負担の原則(PPP)」が適用されるべきです。大企業等の排出と市民のそれを同列に扱ってはならない。本市において、すでに大企業等による「加害行為」によって、熱中症や感染症など市民の健康被害が生じている。二酸化炭素が公害物質であることは、外国では常識とされています。
  4. 温暖化の進行を防ぐためには、いつまでも企業・事業者の「自主的努力」に頼っていてはならない。大体、現行の「計画書提出制度」下においてすら、自ら決めた目標達成がなされていないのではないか。従来の対策から新たに、事業者ごと排出総量を定めて削減する公害規制の手法に転ずるべきです。煙突で二酸化炭素の測定をさせたり、「環境目標値」を設定するなどして環境濃度を引き下げる必要がある。
  5. 将来工場等の燃料として、水素やアンモニアの利用計画が進められているが、水素を輸入するにしても現地生産において化石燃料を消費し、またアンモニアの生産のために大量の二酸化炭素が排出される。結果として地球全体の温暖化ガスの排出ゼロにつながらないのではないか。さらに火力発電にアンモニアを混焼することは、粉じんを大気中に放出するなど公害を発生しないか心配である。
    また工場群からの、膨大な海や空への排熱を抑えなければ温暖化は防げない。
  6. 2050年ビジョンについての「まちの姿のイメ-ジ」を見る限り、「利便性」や「効率性」・「人工的」な「まちの姿」を感じてしまう。こうしたものを否定するものではないが、もっと“落ち着き”とか“うるおい”・“生き物中心”の「まちの姿」にならないか。必ずしも、市の南部-産業、市の中部-交通、市の北部-市民生活というように役割分担しているわけではなかろうが、市域全体の基盤に、みどりや水辺・清浄な空気・田園などが感じられる「まちの姿」になってほしい。理想の「大気の状態」は、工業化以前の自然状態である。
  7. 扇島の JFEスチ-ル高炉廃止に伴って生じる跡地については、所有者との交渉により無公害・脱炭素の施設等への大変換を。大規模の再生エネルギ-基地にするとか、二酸化炭素の吸収源として大規模な森林・緑地として活用することを考えるべきである。

4. 川崎市環境教育・学習アクションプログラム(案) についての意見

(2020/12/15提出)

  1.  (p1)  公害を過去の問題とするのでなく、現在進行形の問題として位置付ける。現実を直視する勇気・智慧を持つのなら川崎市内に、いまも公害と公害被害が存在していることは明らかである。
  2.  (p9)  環境負荷だけでなく、いまも ①公害物質が排出されていること、②大気汚染による健康被害が発生していること、③大気汚染物質の中には環境基準・環境目標値が達成されていないものがあること、などを理解させることが必要である。
  3. (p10)  条例を単に順守することに解消せず、それ以上に企業・事業所に対し、大量の公害物質や温室効果ガスを排出していることを自覚させ、これを抜本的に削減する措置を取らせることが必要であることを理解させる。
  4. (p12)  仮称・環境教育資料館をつくり、その中に川崎公害に関する住民運動や行政・議会・事業所に係る資料や図書などを備える。そして、これを新たな環境教育・学習の拠点とする。
  5. (p23)  大気や水などの環境保全に関する指標として、「市内の空気や川・海のきれいさ満足度」が掲げられているが、科学的根拠に支えられないヒトの意識に頼ると行政の執行を誤ることにならないか、疑念を持つ。
  6. 公害・環境と深い関係を持つ、ぜん息や熱中症・新型コロナなどにより市民の生命と健康が侵されている。すべての市民に、環境の有限性や生態系、生存権・環境権について教育・学習を させる。

5.「川崎市環境基本計画年次報告書」に関する意見書

1995年度以来、毎年提出してきたがそのうち最近のもののいくつかを掲載します。

2021年度版

(2022年3月28日 提出)

  1. 「安心して健康に暮らせるまちをめざす」に係る指標評価について
    • 二酸化窒素は、対策目標値(環境基準の上限値)の達成率が100%だとしても、達成後の目標でる「対策目標値の下限値の0.04ppm又はそれ以下を目指す」に照らせば、間違いなく非達成なのだからランク5(達成状況が対基準値・対前年度のいずれにおいても良い)はどう考えてもおかしい。
    • 微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準は、達成されランク5とされているが、いまだ設置されていない測定局が存在すること、最近の基準の厳格化の動き(東京都-年10μg/m3やWHO-年5μg/m3という指針値設定)などを今後考慮する必要がある。
  2. 川崎市は2050年のCO2排出ゼロ実現をめざし、2030年度までに1990年度比で30%以上削する目標であるが、国の遅れた基準に合わせるのでなく率先して世界の基準に合わせた削減目標を持つべきです。温室効果ガス排出量指標評価がランク5では、企業・事業所も市民も動機づけにならなくなるのではないか。
  3. 二酸化炭素排出量削減にあたっては、企業・事業所の「自主的努力」に任せるのではなく、直接規制の手法で実施すべきである。そうでないと世界が求める「1.5度C」の実現は難しい。二酸化窒素などの大気汚染物質と同様に、地上における二酸化炭素の常時測定監視を実施し、実効性ある削減対策を進める必要がある。
  4. 「安心して健康に暮らせる」ため、市民の健康影響や被害について医療団体や疫学者などと協力し、実態をもっと明らかにしていく必要がある。ぜん息以外にも微小粒子状物質等による影響・被害があるはずである。光化学スモッグ被害のほかに、年報に新たらしく熱中症被者の人数も載せるべきだ。
  5. 特別緑地保全地区や緑の保全地域等については記述があるが、川崎市の樹林地が全体としてどのような状況にあるのかが良く分からない。面積等を明らかにしてほしいし、減らないよう何らかの対策を講じるべきでないか。
  6. 大規模開発や環境影響評価の推進にあたっては、経済活動との調和でなく環境保全優先の原則を貫くべきです。またその中身も、PM2.5の環境基準が告示され12年以上経過するのに、いまだに拡散計算等の対象物質になっていないのは異常だ。改めて、環境影響評価の命は情報公開と住民参加にあることを再確認したい。
  7. 環境パ-トナ-シップの推進については、資源集団回収・市民植樹・まちの美化運動のほかにも、大気や水環境の改善、温暖化防止などの取組が行われていると思うので、もっと充実した内容にしてもらいたい
  8. 新型コロナが発生して3年を経過したが、市の環境施策に及ぼした影響について良い部分も悪い部分も、できるだけ定量化して書いてほしい。
2018年度版

(2019年3月23日 提出)

  1. 二酸化窒素の環境基準(対策目標値)は、上限値の日平均値0.06ppmについては全局で達成されている。従って、今後は重点目標に掲げられているように、環境基準(対策目標値)の下限値である日平均値0.04ppmを評価の基準にすべきです。併せてこれが実現されるよう、工場の許容排出量の見直しなど、具体的な窒素酸化物の削減対策を早急にたてるべきです。これは、環境目標値(日平均値の0.02ppm)の達成のため準備段階として必要です。
  2. 光化学オキシダント濃度が改善されず、また光化学スモッグ注意報の発令も続いている。引きつづき、固定及び移動発生源対策を強化し原因物質を減らすべきです。
  3. 未設置となっている、残りの微小粒子状物質に係る常時監視測定局(一般局1局と自排局2局)の設置を、一日も早くすすめデ-タの公表を行うべきです。
  4. 微小粒子状物質の環境基準が制定されて10年になると云うのに、いまだに削減対策が示されないのは納得できない。早期に総量削減目標や企業ごとの許容排出量を構築すべきです。
  5. わが国の微小粒子状物質に係る環境基準は、米国の環境基準やWHOの指針値と比べても甘い。健康被害が続いている状況にかんがみ、市独自でさらに厳しい対策目標値ないし指標値の設定を 検討すべきです。
  6. 戸外における大気汚染の濃度については、JR川崎駅に設置されている大型電光表示盤などを活用して知らせるべきです。
  7. 温暖化の進行により、真夏日の増加など市民の生活はますます危険に曝されるようになった。こうしたなか、昨年の「熱中症」搬送件数は 件と前年の2倍以上となっている。「熱中症」に関する情報を、きめこまく提供し年次報告書に載せるべきです。
  8. 大工場や大規模集合住宅ごとの、二酸化炭素排出量と樹木等による吸収量を試算させ公表させるることにより、工場緑化・屋上緑化・都市緑化の必要性の機運をさらに認識させるべきです。
  9. 「地球規模で考え地域レべルで行動する」という標語がある。従って、二酸化炭素の測定は地球全体で考えることを是とするも、地域即ち川崎市域での測定を重視すべきです。また二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減に当たっては、窒素酸化物など他の大気汚染物質と同様に「公害規 制」すべきです。
  10. 前回の市民意見への対応措置の中で、気管支ぜん息は「アレルギ-疾患対策基本法」でアレルギ-疾患と位置付けられているとのことだが、公害健康被害補償法としても位置付けられている ことを無視してはいけない。
  11. 環境局は、法令に基づき熱心に大気汚染物質を調査し発生源に対する削減指導をしている。ところが大企業などは工場夜景観光などの中で、「煙突から出ているものは水蒸気だ」と宣伝している。それならば、大気汚染物質はどこから出しているのか説明させる必要があると思う。
2013年度版

(2014年3月24日提出)

  1. 大気環境の評価については、今後環境基準・対策目標値(上限値)だけでなく、下限値並びに市の環境目標値の達成状況についても載せるべきです。
  2. 窒素酸化物対策については、環境基準(対策目標値)の「下限値0.04ppmまたはそれ以下」という目標を真正面に据え、対策を進めるべきです。そうすることにより、環境目標値(0.02ppm)達成の目途も俎上に上がってきます。
  3. 微小粒子物質(PM2.5)の、 測定機の設置については今年度末で14局になったが、残る4局についても障害物をなくす等全力を尽くし、早急に設置されるべきです。併せて、成分分析の成果をふまえ発生源対策を早期かつ着実に講じていく必要があります。さらに、PM2.5高濃度予報の発令状況も載せた方がよい。
  4. 大手工場に適用されている総量基準は、現状の排出量に照らして甘すぎないか。NOxやSPM・PM2.5などの公害物質を、減らしていくためもっと厳しく改正すべきです。例えば、これまで指摘した東電川崎火力のように、再稼働が開始されると、現状をはるかに超える公害が排出し市民の健康にとって由々しき事態となります。
  5. 産業道路の大気汚染改善については、工場等からかなりの影響がされていることが推定されるので、さらに固定発生源対策も併せて強化すべきです。
  6. 自動車からの大気汚染は改善傾向にありますが、幹線道路を中心にまだ厳しいものがあります。引き続き交通量の削減や低公害車の普及等、関係者とともに推進してもらいたい。なお、自動車公害を改善するためには、短期的評価(1時間値)を考慮した規制も有効と考えるので検討されたい。
  7. 市役所前の、大気汚染濃度電光表示盤が一方的に撤去されましたが、PM2.5など大気汚染の危険性を市民に知らせる表示は、依然として重要と考えます。不評な第3庁舎内の表示盤の改善とともに、ただちに設置を進めるべきです。
    また最新の大型ビジョン等について、市内の各区役所・主要駅等・繁華街などに設置して行くことを検討すべきです。
  8. 地球温暖化や都市気温の上昇(ヒ-トアイランド)を防ぐためには、まず市内における二酸化炭素濃度を観測する必要があります。気象庁は、川崎市内で調査していないし、神奈川県が測定を中止したなか、市が率先して測定を開始し結果を市民に公表すべきです。
  9. 温室効果ガスに係る排出量の数値が、2012年度のものとすべきところ、2010年度しかも暫定値となっています。国の調査結果を待つのでなく、市独自に調査し公表すべきです。例えば、国の「環境モデル都市」になっている北九州市では、市独自に全市の排出量を計算して国に報告しています。
  10. 昨秋公表されたIPCC第5次報告は、世界の温暖化の危機と対策の緊急性を求めています。市の目標値は「2020年度まで25%以上の削減」ですが、これに加え2050年度までの長期目標を早急に定める必要があると考えます。因みに、京都市は「2050年60%削減/90年比」、堺市も同じ(但し05年比)、北九州市では「2050年50~60%削減/05年比」を掲げています。
  11. 自転車と歩行者の安全を守るため、歩道と自転車の専用道路を整備すべきです。その場合必要なら、自動車道路の車線を削減してでも行うべきです。「自動車優先」の交通体系を変革していかなければならない。
  12. 川崎市は、大都市の中で一人あたりの都市公園面積が大阪市に次いで少ない。従って、これ以上樹林地や農地を減らすことなく、緑地の保全を進めるべきです。
  13. 大気汚染などが原因となって、健康被害者が増え続けています。市内の気管支ぜんそく患者は、すでに2万人を超えています。市健康福祉局は、公害による健康被害をみとめ被害者の救済と生活保障に力を注ぐべきです。

B.声明・見解・提案

1. 川崎市は二酸化窒素対策につき、ただちに「日平均値0.04ppm」の達成期限を設定せよ!=市民は、当初の設定(1985年末)から30年以上待たされている=  

2016年9月5日

  1. 川崎市はいま、二酸化窒素に係る対策目標値(日平均値0.04~0.06ppmのゾ-ン内またはそれ以下)が、平成25(2013)年度・同27(2015)年度と市内全測定局で達成できたとして、これまで市長告示で「平成23年度から平成27年度の早期」と定めていた「達成期限」を10月にも削除しようとしています。今後、気象条件や経済活動の活発化などで、未達成になった場合どうするのかなど疑問がなくはないが、重要なことは市がただちに「日平均値0.04ppm」の達成期限を定め、これに向けた具体的かつ有効な対策を打ち出すことである。私たち市民は、当初市が約束した達成期限「1985年末」から30年以上も待たされているのであり、このことを強く求める。
  2. 対策目標値の達成については、すでに川崎市の環境基本計画が平成23(2011)年3月の全面改正をうけて、「2015年までのできるだけ早期に、二酸化窒素濃度について全測定局で対策目標値の達成を目指す。達成後は当面の目標として、対策目標値の下限値の0.04ppm又はそれ以下を目指す」とし、平成24(2012)年度以降の年次報告書でこの目標を毎回公表・確認している。
    よって、上限値の「日平均値0.06ppm」が全局達成できたのなら、当然「日平均値0.04ppm」達成のための年次を定め、それに対応した対策を立てるべきである。
    因みに、神奈川県の二酸化窒素の目標は年平均値0.02ppmであるが、これは日平均値0.04ppmに相当する数値である。
  3. 大体、昭和53(1978)年7月国の環境基準緩和(日平均値0.02ppmから同0.04~0.06ppm)は、当時多くの公害被害者・住民はもちろん、科学者・研究者・自治体・マスコミなどから厳しい批判と抗議をうけ設定されたものであり、国会審議では専門委員会の委員長が改定する必要がないと意見を述べる始末であった。こうして、川崎市は昭和55(1980)年の公害対策審議会の専門部会報告・答申をうけ、「環境目標値/日平均値0.02ppm」を堅持、「当面の目標値として同0.04ppm」を決定した。
    その後、国は上限値(日平均値0.06ppm)達成のため、昭和60(1985)年、昭和65(1990)年、平成2(2000)年と、達成期限を相次ぎ先送りするもことごとく失敗するなか、川崎市も、平成12(2000)年12月、緩和された環境基準と同じ数値を「対策目標値」として設定したものである。そこでは、市公害防止条例が求めていた昭和55(1980)年答申時のような「科学的検討」はされなかった。
    大体、昭和53(1978)年7月国の環境基準緩和(日平均値0.02ppmから同0.04~0.06ppm)は、当時多くの公害被害者・住民はもちろん、科学者・研究者・自治体・マスコミなどから厳しい批判と抗議をうけ設定されたものであり、国会審議では専門委員会の委員長が改定する必要がないと意見を述べる始末であった。こうして、川崎市は昭和55(1980)年の公害対策審議会の専門部会報告・答申をうけ、「環境目標値/日平均値0.02ppm」を堅持、「当面の目標値として同0.04ppm」を決定した。
    その後、国は上限値(日平均値0.06ppm)達成のため、昭和60(1985)年、昭和65(1990)年、平成2(2000)年と、達成期限を相次ぎ先送りするもことごとく失敗するなか、川崎市も、平成12(2000)年12月、緩和された環境基準と同じ数値を「対策目標値」として設定したものである。そこでは、市公害防止条例が求めていた昭和55(1980)年答申時のような「科学的検討」はされなかった。
  4. いま、気管支ぜん息患者など公害被害者が市の北部を中心に増加している。大気汚染もその主要な原因物質であり、窒素酸化物は、微小粒子状物質(PM2.5)や光化学スモッグの原因の一翼を担っている。この点、公害被害を無視・軽視した「公害克服」のキャンペ-ンは間違っている。この間、自動車からの汚染はかなり低減したが、工場についてはさらに大幅な削減が必要である。市民の生命・環境を守るため、川崎市は「日平均値0.02ppm」の環境目標値の達成を目指すとともに、当面一日も早く「日平均値0.04ppm」達成年度を設定し、必要な対策を講じるべきである。経済優先でなく、もっと人間一人ひとりが大事にされなければならない。

2. 二酸化窒素に係る環境基準の“市内全局達成”にあたって - 見解

(2014.3.22)

  1. 川崎市は、近く市内の二酸化窒素測定局のうち、最後まで未達成となっていた池上自排局が国の環境基準(市の対策目標値も同じ)の上限値(日平均0.06ppm)をクリア-し全局達成したと、発表 する。私たち住民団体は、長い間公害の根絶を求め運動してきた立場から、川崎の大気汚染が改善されることを歓迎するものです。
    しかしこれは、まだ今後もつづく公害根絶の闘いの一段階に過ぎない。関係当局をはじめ、企業・市民も一丸となってこれからも、市域の環境改善のため対策を進める努力をしなければなりません。
  2. 今回の”基準の達成”について、私たちは、以下のような点について配慮することが必要と考えます。
    1. 池上測定局のある産業道路近傍は、点の汚染でなく面的な汚染状況にある。交差点を含め、早急に全体の汚染状況を確認すべきです。
    2. 一向に減らない光化学スモッグや微小粒子状物質等の改善のためにも、ひきつづき窒素酸化物対策がつよく求められます。
    3. 当面の目標としては、環境基本計画に規定しているように「下限値の日平均値0.04ppm」の達成を、そして「日平均値0.02ppm」をめざし発生源対策(固定・移動)を強化すべきです。
    4. 測定法が、湿式から乾式(化学発光法)に替わってから、測定値が低く出る傾向にある。また、一酸化窒素濃度がゼロであったり二酸化窒素より低い数値が多く発生しています。保守管理の徹底はもちろん、市民の生活実感に即した測定についても検討を進めるべきです。
    5. 新たな開発計画に対しても、計画の見直しを含め厳格に対処することが必要です。いま、東扇島-水江線の道路建設が持ち上がっているが、これによる産業道路・市街地への自動車流入量の増加は防止しなければならない。
  3. 川崎市内の、公害被害者は増え続けています。2000年に15,782人だった気管支ぜんそく患者は、2012年には21,256人となりました。私たちは、公害から市民の健康の環境をまもるため、これからも総力を結集して闘っていきます。

3. 工場・事業所からの二酸化炭素の抜本的削減に関する 提案

(2014年12月24日)

周知のように、近頃日本国内・市内においても真夏日や集中豪雨の頻発、ス-パ-台風の発生など地球温暖化による異常気象が日常的になってきています。また、本年8月には東京・埼玉で、デング熱による感染者が見つかり健康被害が現実のものとなっています。

このような主因が、人為的な二酸化炭素など温室効果ガスの大量排出によるものであることは言うまでもありません。本年10月デンマ-クで開催された、IPCC第40回総会で承認された報告書は、「近年の温室効果ガスの排出量 は   史上最高となっている」「今後数十年間にわたり大幅に排出を削減し、21世紀末までに排出をほぼゼロにすることを要する」等と指摘しています。このまま対策をしなければ、工業化以前と比べ気温を2℃未満に抑制する猶予期間は、約30年しか残されていないと云われています。このように、地球温暖化対策はきわめて緊急を要するものとなっています。

ところが我が国は、世界第5位の排出国でありながら、その削減対策は経済活動優先のため遅々としています。かけがえのない地球、次世代の生命を守るためには、国の動きを待つのでなく地域から、そして自治体が率先してこれに取り組む必要があると考えます。川崎市は、最近の市内の二酸化炭素排出量は約2,400万t(2011年度)であり、その約73%が産業部門で占めていると発表しています。しかし、二酸化炭素を公害規制物質として試算するならば、工場・事業所からの排出量は、実に市内全体の95%も占めていることが分かっています(平成20年度環境審議会第1回公害対策部会資料)。また、私たちの二酸化炭素簡易測定によれば、市の南部で高い濃度が記録されています。

以上の趣旨から私たちは、かけがえのない地球と市民の生命・健康をまもるためには、川崎市内において工場・事業所の二酸化炭素の排出量を、公害対策の手法により抜本的に削減することが肝要と考えており、当面、以下のような対策を進めることを提案します。

どうか、前向きにご検討下さることを要請します。なおこれらはすべて、これまで川崎市政が経験してきたものであり、発想の転換と意欲さえあれば実施できるものばかりです。

  1. 大手工場等に対し、許容排出総量を割り当てることを前提に、自主的削減とあわせ総量規制をすすめる。
    川崎市は、これまで硫黄酸化物や窒素酸化物の総量規制を実施し成果を上げてきた。二酸化炭素を公害規制する手法は、すでにアメリカなどで実施している。
  2. 市内の複数地点において、二酸化炭素の測定を行いその結果を公表する。
    川崎市は、現在同じ地球環境問題と位置付けている、酸性雨については田島と麻生で測定している。測定は、かつて神奈川県で実施したほか、現在東京都や埼玉県などが実施している。
  3. 大気自動監視システムを使って、煙突の出口で二酸化炭素排出濃度を測定しその結果を市民に公表する。
    川崎市は、現在窒素酸化物は23工場、硫黄酸化物については12工場を、それぞれ「発生源大気自動監視工場」としてテレメ-タによる監視を行っている (平成25年3月末)。
  4. 工場・事業所の敷地境界線において、少なくとも年4回・複数地点で二酸化炭素の測定を行い、市に報告させるとともに市民にも結果を公表する。
    かつて川崎市は、環境影響評価条例において「環境調査報告」制度として2年ごと実施してきた。

C. 要請・質問

1. 微小粒子状物質(PM2.5)測定の、精度管理に関する質問並びに要請

(2017年12月4日提出)

いつも、本市の大気汚染公害改善のため、ご尽力されていることに対し敬意を表します。大気汚染物質の測定については、そのすべての物質につき精確かつ適切な管理が求められていることはもちろんです。ところが、かつて、浮遊粒子状物質(SPM)測定に関して、幸・中原・麻生3局の自動測定機に不具合が生じ、測定値の見直しや精度管理の徹底が図られることがありました。

今般、標記微小粒子状物質(PM2.5)の測定に関し、SPMの時と同様にマイナス値が時々発生するなど、常識的に考えられないような事態が発生しています。環境省などの説明によると、べ-タ線吸収法自動測定機ではやむを得ないことのようです。しかし、1時間値は高濃度予報や健康被害防止の呼びかけにも使われており、一層の精度管理が必要です。そこで、さしあたり以下の質問をしますので、このことについて近日中に懇談の場を設けて下さることを要請致します。

  1. 最近のPM2.5の測定についても、公表されている速報値を見るとマイナス値が発生していますが、いま「空試験」の実施は、どのようになされていますか。その結果等についてお知らせ下さい。
  2. 年間をとうして調査したわけではありませんが、別紙のように、一般局で中原局や麻生局、自排局では宮前平駅前局・本村橋局など一部の測定局でマイナス値の発生が目立っています。これは測定機メ-カ-・機種のちがいなのか、保守管理に問題点があるのか、説明して下さい。
  3. マイナス値は、測定値が小さい場合に出ることが多いようですが、同じ数値でも出る測定局と出ない測定局があるのは何故なのでしょうか。
  4. いわゆる「欠測値」の処理はどのようになされているのでしょうか。「空試験」により、補正しなければならない「基準値」が超えた場合も「欠測値」として処理されているのでしょうか。

2.微小粒子状物質(PM2.5)測定及び精度管理に関する 質問書

(2018年2月16日提出)

  1. 川崎市が各測定局へ測定機を導入する時、メ-カ-から添付された「性能試験成績書」のうち、空試験についての内容を教えて下さい。当然「合格」となっていたと思いますが、数値等の記述があったらそれを教えて下さい。
  2. 欠測処理基準を示してください。SPMの場合はゼロ値が「下限値5μg/m3・上限値10μg/m3」ですが、PM2.5の場合は数値がどうなっているのでしょうか。
  3. 市内の測定局の機械で、マイナス値を自動的にゼロとして表示しているものがあれば、それはどこか教えて下さい。
  4. 夜間などでは、測定機が自動的に処理する場合があると先の懇談の場でお聞きしましたが、それは具体的にどういうことなのか教えて下さい。
  5. たとえ1時間値は参考値扱いだと云われても、日平均を計算するときマイナス値が、そのまま使用されれば実際よりも低い濃度となってしまうことについて、どうお考えですか。物理的にはその時間 帯、一定の汚染物質が大気中に滞留しています。
  6. 物理的にはあり得ない、マイナス値が出るベ-タ線吸収法を国が認定していることは大問題であると考えますが、他の測定法(例えば光散乱法など)を採用できるよう進言するなどの考えはないですか。また、市独自に採用することを検討すべきと考えますが、いかがですか。(国の標準測定法は、マイナス値が出ないフィルタ-捕集-質量法とされている)。

D. 請願・陳情

これまでのうち、3件について掲載します。

東電川崎火力2号系列2・3軸の増設を取り止めることに関する 陳情
環境影響評価制度の改善並びに拡充を求める 陳情
大気汚染をなくし、市民の生命と環境をまもるための 請願