意見書は毎年提出していますが、最新のものを紹介します。
2023年度版・かわさき環境白書に対する 意見書 2024年2月27日
川崎市環境局総務部企画課 御中
川崎から公害をなくす会 会長 神戸治夫
川崎区砂子2-2-2 シャンボ-ル互恵ビル512号
標記について、以下の意見を提出します。
(脱炭素化について)
1. 温室効果ガス排出量の2030年度削減目標について、市は2013年度(2,383万t)比50%削減を掲げて いるが、これは1,192万tになる。しかしこれを、国連の「2019年比43%削減目標」に置き替えると、2019年度は暫定値2,139万tだから1,219万tとなり少しオ-バ-してしまう。引き続き検討を。
2. 再生エネルギ-についても、国連は「2030年までに3倍」にしようと云っているのだから、市の目標「30万kw以上」は積極性に欠ける。COP28で化石燃料からの脱却が合意されており、もっと高い目標を持つべきです。
3. 二酸化炭素の排出について、火力発電所などエネルギ-転換部門や産業部門の抜本的な削減を実現するためには、「電気・熱配分後」でなく「電気・熱配分前」、つまり排出を消費側の部門に配分するのではなく、生産者側の部門に配分した統計デ-タにより対策を進めるべきです。「電気・熱配分前」のデ-タを公表し、対策を進めるべきです。
4. 「事業活動地球温暖化対策計画書・報告制度」の基本は、「自主性」と「見える化」にあるようだが、これでは不十分です。さらに、公害規制」の手法を加味することが抜本的な削減に有効です。二酸化炭素が大気汚染物質であることは、世界の常識です。
5. 熱中症被害を減少・防止するために、室内で高齢者に多く発生していることから、低所得者に冷房器具等への助成を検討すべきです。
(大気や水などの環境保全について)
6. 二酸化窒素の対策目標値(下限値日0.04ppm)について、2030年度の達成局数目標が77.8%となっているが100%とすべき。かつて、1985年度までに日0.04ppm(中間目標値として)を達成することを掲げていたし、一日も早く環境目標値(日0.02ppm)を達成することが求められるからです。
7. 光化学オキシダントについては、環境基準があるのだからその達成率を明記すべきであり、環境改善評価の数値はあくまで参考値とされるべきものです。
8. PM2.5に関する環境基準の達成状況は、設置されていない測定局もあることから、実測有効測定局数も併せて載せるべきです。
9. 人の健康をまもるため、現行の環境基準や環境目標値よりも厳しい数値がWHOより公表されている。速やかに、これを行政の目標値または指標値にしてもらいたい。
10. 市民実感の目標は、「大気や水などの環境が良好であるという市民実感の向上」としているが、何が良好であるかは居住地や性別・年齢・環境知識の有無などを含め、人により異なった感覚もあり千差万別です。もっと客観的基準を設けるべきです。水の場合、アユ・メダカなどを指標魚種としているが、大気だったら、例えば蝶や赤とんぼ等を指標にしてみてはどうだろうか。
11. 窒素酸化物やPM2.5など大気汚染によって、市民の呼吸器系の症状・疾患が出ています。年次報告書が単独で作成されていた頃、ぜん息患者に係る実態の記述があったが、健康被害についても載せるべきです。
12. かつて、環境基本計画年次報告に記載されていた「酸性雨」について、いまだ解決に至っていないのだから、実情を環境白書に掲載すべきです。なお環境総合研究所のホ-ムペイジで、毎月の測定結果が掲載されていたが、自動測定から手分析に変更されたにしても毎月市民に知らせて行くべきです。
(自然共生について)
13. 農地の保全面積の目標が343haとされているが、実際の保全面積は年々減少しており目標の立て方がおかしい。農地減少の原因を良く調べ取り除かないといけない。緑地や樹林地を中核に保全を進めてほしい。
14. 開発され尽くした感のある川崎市域においては、緑地を広げることはかなり困難な状況にある。大規模開発が実施される時は、極力緑地率を引き上げ面積を確保すべきだ。
15. 富士見公園や等々力緑地の再編整備が進められているが、整備前と後とで生き物の生息・生育拠点がどのように増えるのか市民に示してほしい。
16. 最近発覚した、ビッグモ-タ-社による街路樹無断伐採事件は、白書に記す「緑化地の確保を市民・民間企業・行政の協働により進めて行きます」の精神を蹂躙する行為であり、全国都市緑化川崎フエアが本年開催するというのに残念なことである。植物が人の健康に不可欠であることはもちろん、保全の重要性をもっと企業・事業所に知らしめる必要がある。
(資源循環について)
17. 一般廃棄物の、一人あたりごみ及びごみ焼却量が減少しているのに、基準年度と比較して温室効果ガス総排出量が増加している理由を示してほしい。焼却量を減らすために、更なる分別の徹底とそれによる資源再利用を図る必要がある。
18. プラスチック製容器包装の約6割が分別されず焼却されているとのことだが、自治体が受け入れる以前の問題として、製品製造段階から削減することが必要だ。
19. 産業廃棄物に関し、廃プラスチックによる海洋生物等への影響を考えると、排出量の目標(71%)をもっと引き上げる必要があるのでないか。
20. 特に北部地域などで、草木のごみの発生が多いと聞く。分別してバイオ発電の燃料として使えないか検討してもらいたい。
